王たる資質、性質より来たる
最近、眠気に負け越しています。
加齢によるものか、メンタルの低下によるものかはわかりません。
ただわかっていること。
あいつらは10時を過ぎると風のようにやってきて、包み込むように眠気を振りまいていくということです。
僕は抗います。歯を食いしばり、太ももをねじり、血の涙を流すまで。
気づけば朝です。血だまりの中に沈んだまま憂鬱な朝の光を全身に浴びてこう囁くのです…
『やっちまった』と。
朝食は摂りません。余裕がないから。
第一、朝なんてのは体だけ起きて脳は寝てる時間帯なんですよ。そんなアンバランスな心身状態で体に負担をかけてごらんなさい…
バー(魂)を削るのが自明の理ってもんでしょうよ。
* バー 古代エジプトにおいて人間を形成する要素のひとつで、
「精霊」「魂」を意味する。
人の死とともに肉体から離れ、自由に動き回ることが
できる。 頭は人間で体は鳥で現される。
そうやって寿命を削ってまでひねり出したバー(魂)を無碍(むげ)に扱うなんて恐れ多いと思いませんか?というか罪深いとすら思いません?ねえねえそんなんでファラオが喜ぶと思う?思い上がるなよこの奴隷階級めらが。
そこで計算してみる事にしました。するとどうでしょう。ついに起床から準備を経て効率のいい労働を行う事のできる黄金ルーティーンを導き出す事に成功したのです。僕はこの偉大なる解答をトゥト・アンク・アメン式黄金方程式と名付け、その全貌をここに記す事とします。
7時に起床するとして…
前提条件
- 布団の誘惑に打ち勝ち、這い出てくるまでに3時間は必要
- 胃の消化に配慮し、朝食はきちんと噛んでゆっくり食べる。1時間くらい
- 着ていく服を用意するのに30分欲しい
- 便秘気味なので30分ほどトイレにこもらなくてはいけない
以上の条件を踏まえた上で余裕を持って出勤する。となると、12時頃に家を出る計算になるんですが、その時間帯はちょうど昼メシ時。昼食を摂ってからにしましょう。まあ1時間てとこですよね。食べ終えたら30分ほどで食器を片付ける。昼寝もしなきゃな。シエスタ的にはぐっすり2時間。起きたらちょうどオヤツの時間で、そうだな…パンケーキで1時間ほど意識を高く持ちましょうか。30分で片付けたらいよいよ出勤だ。何時だ?
17時だな。
さあみなさん、もうおわかりでしょう。
僕は労働に向いていません。
なので後世の人々は尊敬と畏怖の念をもって僕をこう呼ぶ事でしょう。
ファラオと。